今回は胃の解剖についてお話ししたいと思います!胃って空腹を感じたり、緊張して痛くなってみたり割と身近な存在ですよね!今日はそんな身近な胃についてしっかり学びましょう!!
第96回 午後12問
胃粘膜からの分泌物とその機能との組み合わせで正しいのはどれか。
1.粘液ー蛋白質の消化
2.内因子ー胃粘膜の保護
3.ガストリンー胃液の分泌抑制
4.塩酸ーペプシノゲンの活性化
これは少し古い問題ですが必修問題ですね!!ということは正解できて当たり前の問題ということです!しかしこれちょっと難易度高めですよね。胃の解剖生理についてしっかり理解していないと解けない問題です。逆を言えば、この問題をしっかり理解すれば胃についてしっかり学べるということです!!
では解説していきましょう!!
胃の解剖
各部位の名称はしっかり覚えましょう!なぜかというと胃にまつわる疾患はさまざまあるのですが、胃の部位の名称が疾患名に使われていることが多いからです。例えば乳幼児に多い「幽門部狭窄症」とか前期高齢者に多い「胃体部癌」などです。胃の名称を知っていることでどこの部位に何が起きているのか、おおよそ予測をすることができます。その意味でも部位の名称を覚えることはとても大事です!!
胃の生理機能
・胃壁は粘膜、平滑筋層、漿膜の3層からなる。
・胃液量は1~2L/日
・胃液のpHは1で強酸
・食道に近い噴門部と十二指腸に近い幽門部で粘液を分泌する。
・胃の大部分の胃底腺は「粘液を分泌する副細胞」「塩酸を分泌する壁細胞」「ペプシノゲンを分泌する主細胞」がある。
・ペプシノゲンは塩酸の働きで分解されペプシンというタンパク質分解酵素になる。
ここに書いたことはしっかり暗記しましょう!!そしてもう一息!次に書くことも覚えてくれると確実に国家試験で点数が取れるようになるので覚えましょう!
<胃の機能>
①食べたものを一時的に収納して十分に消化することで少しずつ腸へ送る
②胃酸による殺菌作用、酵素の活性化、鉄のイオン化
③ペプシンによるタンパク質の消化
④粘液分泌による胃壁の保護
⑤消化管ホルモンの一種であるガストリンの分泌による胃液分泌促進
⑥内因子放出によるビタミンB12の吸収促進
<タンパク質の消化>
・胃酸はタンパク質を変性させると同時に主細胞が分泌するペプシノゲンに作用してペプシンに変える
・ペプシンはタンパク質を分解してポリペプチドにする
・さらに胃酸は十二指腸に排泄されると十二指腸粘膜を刺激してセクレチンを分泌させる
・セクレチンは膵液の分泌を促進させるとともに胃液の分泌を抑制させる
どうでしょう!なんだか覚えることがたくさんでイライラしてきたかもだけど、もう一息!!
今までの知識を総動員して過去問を振り返ってみると・・・
1.粘液は胃粘膜の保護が役割だから× タンパク質の消化をするのはペプシンだね!
2.内因子はビタミンB12の吸収促進だったから× 胃粘膜の保護をするのは粘液だね!
3.ガストリンの役割は胃液分泌の促進だったからこれも×
4.塩酸の働きでペプシノゲンは分解されてペプシンになるからこれが正解!!!
どうでしょう!必修問題1問で胃の解剖生理をまるっと復習できてしまいました。とても解きごたえのある問題でしたね!!
まとめ
今回は胃の解剖生理について過去問を使用しながらまるっと復習してみました。胃だけに限りませんが、解剖生理をしっかり知識として定着させておくと、あとあと疾病の理解がスムーズなので、しっかり押さえておきましょうね!!
質問、ご意見、お気軽にどうぞ!mailto:caipingye60@gmail.comまで連絡くださいね!
私のお気に入り勉強グッズ!!マークシートにもオススメです!