今回は消毒薬について解説です。消毒薬は国家試験にも定期的に出題されていますし、なにより臨床に出てからとっても大事な知識になります。ここでしっかり理解を深めましょう。臨床でなくとも子育て中であれば知識を活用できること間違いなし!!
消毒と滅菌の違い
消毒と似たような言葉で滅菌という言葉がありますが、この違いを説明できますか?
こことっても重要です!!
消毒とは、生存する微生物の数を減らすこと
滅菌とは、すべての微生物を死滅させること
良いですか?ここをしっかり頭の中に入れてくださいね!!!
つまりですよ!人間の体の表面や内部を滅菌するのは不可能な話であり、いくら消毒薬を使って消毒しまくったとしても、無菌状態にはできないということです。
当たり前のような話だけれど、これをしっかりおさえてから読み進んでくださいね!!
消毒薬の種類
学生さんが消毒薬を使う機会ってほとんど無いのではないでしょうか。知っている消毒薬をいくつあげられますか?国家試験の範囲になっている消毒薬をずらっとあげてみますね。
・エタノール
・ポピドンヨード
・塩化ベンザルコニウム
・次亜塩素酸ナトリウム
・クロルヘキシジン(ヒビテン)
・過酢酸
・第4級アンモニウム塩
これくらいでしょうか。上から5個の赤文字にしてある消毒液は臨床で必ず遭遇します。必ず必要な知識ですので、一つずつ消毒薬の特徴について解説していきます!!
エタノール
一番ポピュラーでなじみ深いものですね。コロナ渦において消費率が格段に上がった消毒液だと思います。臨床では、注射の準備や患者さんに穿刺するタイミングで使われる、いわゆるアルコール綿と呼ばれているものです。手指消毒ができる商品としてドラックストアにもたくさんの種類が売られています。上記の通り人間の肌に使用しても基本的には問題無い消毒液です。しかしアルコールに弱い人、アルコールで皮膚かぶれを起こす人というのが少なからずいらっしゃいます。必ずアルコール消毒をする前に患者さんにアルコール消毒でかぶれないかの確認が必要になります。人間の健康な肌では無害ですが、傷があったり、粘膜には使用できないので気を付けてください。
ポピドンヨード
手術室でよく使われているものですね。茶色のちょっと独特な匂いのするものです。アルコールよりもより消毒効果の高いものになりますが、人間の肌に使用しても大丈夫です。ヨード製剤になるので、大量使用は控えたほうが良いでしょう。病棟では、カテーテルの刺入部の消毒によく使っていました。アルコールが使用できない患者さんの注射の際にも使っていました。
塩化ベンザルコニウム
逆性せっけんという言葉を聞いたことがありますか?塩化ベンザルコニウムは逆性せっけんとも言われるのですが、せっけんの逆は何か???なぞなぞみたいになってしまいましたが、答えは洗浄力は無い(泡立たない)が細菌とカビは死滅させる力があるです。細菌とカビには効果があると言いましたが、残念ながらウイルスには基本的には効果が無いようです(新型コロナウイルスには効果があるようです)適正な濃度で使用すれば、人の肌でも安全に使用することができます。
次亜塩素酸ナトリウム
これもかなりメジャーな消毒液ですね。キッチンやお風呂場などでいわゆるカビ取りをする時に使う、ツーンとしたきつい匂いの消毒液です。キッチンなどで漂白するときにも使いますね。漂白するときってゴム手袋着用を推奨しているように、人間の肌に触れると、強アルカリ性により肌が溶けます!実際には触れるとヌルヌルした感じなのですが、そのヌルヌルは皮膚表面がうっすら溶けてます!!手の表面ですら溶かすので、粘膜などに触れるようなことがあってはいけません。注意したいのは金属と触れると錆びてしまうので、金属製のものの消毒には禁忌です!なのでプラスチック製の注射器(同一患者で繰り返し使用するもの)やネブライザーなど非金属性のものの消毒に使用していました。
もう一つ次亜塩素酸ナトリウムとセットで覚えて欲しいのがノロウイルスです!次亜塩素酸ナトリウムは人体には使えないほどに強力な消毒力を持っています。胃腸炎ウイルスとして有名なノロウイルスに対して有効なのはこの次亜塩素酸ナトリウムだと言われています。ですが、次亜塩素酸ナトリウムを以てしてもノロウイルスを完全に死滅させることはできないです。胃腸炎患者の吐物処理をする際には、使い捨てペーパータオルに5%次亜塩素酸ナトリウム液を浸してふき取る。ふき取りは1方向でゴシゴシしたりしない。というのを徹底して吐物処理をする必要があります。
クロルヘキシジン(ヒビテン)
これを見たことがあるという人は私と同じかそれよりちょっと上の世代かもしれません(笑)昔は病院の処置室なんかの洗面器にピンク色の液体が入れられていて、先生がそこに手を浸している・・・なんて光景が普通だったのですが・・・。このピンク色の液体がクロルヘキシジンです。手を浸しているように、人体にも使えます。金属との相性も良いので、金属製の機械類なんかの消毒にも使われます。
他にも参考書なんかには消毒薬の名称がずらずら並んでいますが、まずはこの5個をしっかり頭に入れてもらえれば、国家試験に対応できるのではないかな!!と思います。これはまるっと暗記してくださいね!!
まとめ
消毒と滅菌の違いから消毒薬5種類について解説しましたが、どれくらい知識として持っていましたか?全く知らなかったという人も大丈夫!国家試験までに覚えれれば良いですから。ゆっくりしっかり覚えていきましょう!!
質問、ご意見なんでもどうぞ!mailto:caipingye60@gmail.comまでお気軽に連絡くださいね!